バーチャルライバーグループ「にじさんじ」を運営するいちから株式会社は4月5日、3Dライブ配信アプリーケーション「にじ3D」(読み:にじさんでぃー)のVer. 2.0への大幅アップデートを実施したことを発表。バーチャルライバーグループ「にじさんじ」所属の該当ライバーへ配布を開始した。
仕組みを一から見直し、キャリブレーションの簡便化やゲーム配信でも利用できるようになっている
アップデート後の公開・お披露目は各ライバーのTwitter、もしくはにじさんじ公式Twitterにてお知らせするとのこと。
【にじ3D、大幅アップデートを実施!!】
— にじさんじ公式🌈🕒 (@nijisanji_app) April 5, 2019
「3Dライブ配信を、私1人で。」
にじ3D(にじさんでぃー)、Ver. 2.0発表!
詳細はこちら▷https://t.co/SlxRYDTglw
デモ動画はこちら▷https://t.co/Hd8fbRn82C pic.twitter.com/JWNt0qGk9F
目次
アップデート概要
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キャラクター動作の改善 ・キャリブレーション機能の追加
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- キャリブレーション機能の追加。腕の長さを取得することにより、今までキャラと実際との腕の長さ不一致により肘が伸び切った状態になっていたものが、本アップデートより腕の動きが改善され自然な動きを実現しました。また、正面や体の中心位置を取得することにより、正面や体の中心位置を任意に決めることができ、配信環境への依存によらず自由に動かすことが出来るようになりました。
- 首や手首の回転がなめらかに。デフォルトの回転系アルゴリズムの改善により、モデル全体の要所部分の自然な動きを実現しました。
- 指の操作がより細かに。 Oculus Riftのコントローラ(Oculus Touch)における操作性を向上させることで、キャラクター表現を豊かにする上で重要な指の動きの表現域を拡張しました。
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キャラクターを活かす設計
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- キャラクターを映す俯瞰カメラの表示範囲を拡張。様々な角度からキャラクターの姿をリアルタイムで映すことが可能に。今までは見れなかった真上視点、「遠巻き距離」(全身が映る距離での、キャラから離れた視点)、いわゆる「ガチ恋距離」(キャラに最接近した距離からの視点)など、3Dの特性を生かした撮影をにじ3Dでも実現しました。
- 背景色の追加。グリーンバック以外の背景色を設定可能になったことで、利便性が増加しました。
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にじ3D使用時の操作性
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- 配信中にコントローラを置いた状態を選択可能に。長時間配信においてコントローラを持ち続けるのは労力を要し、キャラクターの手を自然な位置に配置するためにはコントローラを適切な位置に置く必要がありましたが、センサーの認識範囲の関係で困難な場合がありました。今回のアップデートではセンサーから1秒以上外れた場合に自然な位置に手が自動的に来るよう改善を行い、キャラの自然さを保つために長時間コントローラを持ち続ける必要が無くなり、ゲーム配信など手を使用する配信にも対応出来るようになりました。なお、「自然な位置に手が自動的に来る」際の位置は2パターン用意しており、コントローラの向きによって選べるなどの工夫がされております。
- Oculus Riftなしでも起動が可能に。手が自由に動かせるかどうか以外の特徴は今までと同様に操作可能となり、配信内容の自由度を拡張しました。
- 配信におけるUI操作の機能追加を行いました。
その他、バグ等の修正・改善を行いました。
開発担当者 コメント
今回「にじ3D」はキャラクターを動かす仕組みがいちから見直され、全く新しいにじ3Dとして生まれ変わりました。自分もいちファンとして、ライバーのどんな配信を観たいかについて考え、”ガチ恋距離”や、今まで難しかったゲーム配信でのにじ3D利用を可能にしました。また、ライバー視点に立ち、Oculusなしで起動できるようキャリブレーションを簡便にするなど、気軽に配信出来るような工夫を沢山追加しました。開発面でも拡張性に優れた設計を施し、さらなるアップデートに対応出来る設計となっています。今後のにじ3Dも様々な新機能を検討しているので、是非楽しみにしてください!
「にじ3D」とは
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開発背景と目的
- 通常の3Dモデルを使用した生配信には、大きな機材や物理的な空間(スタジオ等)が必須であり、またスタッフなどが必要なため配信実施自体が大掛かりでした。「にじ3D」では、iPhoneX内の「Face Tracking with ARKit」(にじさんじアプリで使用している顔認識)とOculus Riftのコントローラ「Oculus Touch」を使用することにより、リアルな3D表現による配信が1人でも簡単に行えるようになりました。
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開発コンセプト
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- 1人でも3Dライブ配信が出来る。
- 自宅からでも3Dライブ配信が出来る(スタジオ使用が必須ではない)。
- 自然な3Dモデルの動きを実装。
- 今後のアップデートが容易なシステムの構築(新たなライバーへの実装/アプリ本体のアップデート)。
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