2020年1月には、総勢10,000人を突破したというバーチャルYouTuber(参考記事)。
この半年間だけでも大勢のVtuberがデビューし、配信でファンを集めたり、作品を発表したり、イベントに参加したりと活躍中。もちろん以前から活動しているVtuberの活躍もめざましく、次々に3D化やオリジナル曲を発表するなど活動の幅を広げています。
特に「オリジナル曲」を投稿するVtuberは、この1年間で急増しました。
「Vtuberオリジナル曲」で検索するだけでも日々たくさんの楽曲と動画が発表されており、今やすべてをチェックするのは困難です。歌ってみた動画が主流でまだオリジナル曲が少なかった時期と比べて、現状の盛り上がりを楽しく感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな「Vtuberオリジナル曲」をご紹介。2020年上半期にYouTubeに投稿されたオリジナル曲の中から、50曲をピックアップしてまとめました。この半年間でチェックできていない新曲探しの参考になりましたら幸いです。
(※記事末尾の「まとめ」部分に50曲をまとめた再生リストを挿入しておりますので、まとめて聴きたい方はそちらを参照ください)
目次
- 1 【雨ニマケテモ】アンブレラレコード
- 2 【花奏かのん】ラストダンスは求めないで
- 3 【天開司】HOWL
- 4 【memamo】おやすみ世界
- 5 【ポッケ】けものみち行進曲
- 6 【ミディ】Close to my heart
- 7 【式部めぐり】Aqua Loop
- 8 【夜野ねおん】NEON
- 9 【小宵】さよならルルー
- 10 【読谷山文乃】私の目は沈静している。
- 11 【覇優雅エミ feat. 93poetry】People of the Moon
- 12 【渚乃奏、倫理ちゃん、藤宮メロウ、フレア・スカーレット、柚子花、日辻アヤカ、くー】ポエムコアマイクリレー
- 13 【NoWorld】Crazy love
- 14 【音無むおん】霹靂[HEKIREKI]
- 15 【星乃めあ】星空のglitter
- 16 【ココツキ】KEYS
- 17 【BOOGEY VOXX】D.I.Y.
- 18 【MonsterZ MATE】Last Judgement
- 19 【Marpril】city hop
- 20 【えのぐ】スタートライン
- 21 【まりなす(仮)】POLYFULL!
- 22 【Kapruit + バーチャル美少女ねむ】ココロコスプレ
- 23 【カグラナナ】ナナイロセカイ
- 24 【ヒヅキミウ】アカペラハート
- 25 【白咲べる】ときめきサイクル
- 26 【桜夢なな】くちづけで溶かして?
- 27 【菜花なな】黄色い花のダイアリー
- 28 【三田そにあ】Traveler~キミトミタイミライ~
- 29 【泡沫調】Don’t leave me
- 30 【結目ユイ】幸泡moment
- 31 【KMNZ LIZ】One by One
- 32 【THE BINARY】その切っ先が愛であれば
- 33 【波羅ノ鬼】トラウマ
- 34 【花譜】私論理
- 35 【理芽】Flowering
- 36 【燦鳥ノム】僕たちはまだ世界を知らない
- 37 【月ノ美兎】アンチグラビティ・ガール
- 38 【加賀美ハヤト】WITHIN
- 39 【Rain Drops】VOLTAGE
- 40 【petit fleurs】ミラフル**
- 41 【名取さな&健屋花那】てあらいうがいの歌
- 42 【バーチャルねこ feat. 町田ちま】風の祈り人
- 43 【ときのそら&AZKi】刹那ティックコード
- 44 【星街すいせい】NEXT COLOR PLANET
- 45 【さくらみこ】サクラカゼ
- 46 【白上フブキ】Say!ファンファーレ!
- 47 【律可】Re:Hello world
- 48 【キズナアイ】Awakening
- 49 【初音ミク、MEIKO、ミライアカリ、富士葵、YuNi、星乃一歌】青く駆けろ!
- 50 【ぽんぽこ】はなとなり
- 51 まとめ
【雨ニマケテモ】アンブレラレコード
音楽ユニット・雨ニマケテモ(SHiNO)の5曲目のオリジナルソング。作曲はシグレさん。
外に向かって駆け出したくなる、爽やかなロックナンバー。ユニット名にもある「雨」が何度も歌詞に登場し、場面場面で少し異なった捉え方をされているのが印象的でした。サビで繰り返される「笑っていたい、いたい、いたい」のリズム感が大好き。
【花奏かのん】ラストダンスは求めないで
ベーシストVtuber・花奏かのんさんのオリジナルソング。
歌唱とベース演奏はもちろん、作詞作曲とギター演奏、さらにはMVの撮影と編集も、ほぼすべてをかのんさん1人で担当されている作品だそう。繰り返し表現の多い歌詞と切なげな歌声に聴き入ります。楽曲の雰囲気とぴったりの、実写映像を中心に据えたMVも素敵。
【天開司】HOWL
2019年末の「TUBEOUT! COUNT DOWN」で初披露された、バーチャル債務者Youtuber・天開司さんのオリジナルソング。作詞作曲は塚田貴大さん。
全力で、繰り返し繰り返し叫ぶように歌うサビがたまらない。「ったくしょうがないな!」の一言になぜだか自分を肯定してもらえるような気がして、聴いていると元気をもらえる1曲です。
【memamo】おやすみ世界
BIRバーチャル事業部(あま津軍団)所属・memamoさんの新曲。作曲はRIRIKOさん。
“もくせい”からやってきた宇宙人アーティストであり、独特な世界観の持ち主。ポップなかわいらしさと不思議な儚さが同居しているサビには、中毒性があります。ふわふわと漂うようでいて芯も感じる歌声と、バンドサウンドが耳に心地よい曲。
【ポッケ】けものみち行進曲
狼系Vtuber・ポッケさんの1stシングル。作詞作曲はえりまきねこさん。
思わず飛び跳ねたくなる、疾走感あふれる爽やかソング。「狼」としての要素もたっぷり盛り込まれた歌詞と遠吠え、そして元気いっぱいの歌声から、ポッケさんらしさが感じられる1曲となっています。
【ミディ】Close to my heart
音楽Vtuber10組が参加するコンピレーションアルバム『ADVENTUNE』に収録されている、作曲Vtuber・ミディさんの楽曲。
体を揺らしながら飛び跳ねたくなるFuture Bassのリズムとメロディ、そして合間合間の掛け声には、聴いていて癖になりそうな魅力があります。映像の中でもクレジットされていますが、MV制作はにじさんじの瀬戸美夜子さんが担当されているそう。
【式部めぐり】Aqua Loop
平安のこじらせ系文学少女・式部めぐりさんの1stシングル。楽曲制作はTEMPLIME。
聴けば聴くほどに耽溺させられそうな甘く切ない歌声と、音圧高めのエレクトロミュージックが耳に残る1曲。その歌声は、まるで音のひとつひとつに感情を詰め込んでいるかのよう。ゆらゆらと揺れながら、この音が流れる空間にずっと浸っていたい気分になります。
(※7/28追記:画像がオリジナルではなくセッション動画のものとなっていたため、訂正させていただきました。お詫び申し上げます)
【夜野ねおん】NEON
バーチャル陰陽師見習い・夜野ねおんさんの初のオリジナルソング。作曲はえとーさん。
零れ落ちそうな音と言葉を丁寧に紡ぐ、淡々とした楽曲……かと思いきや、途中からの激しい音の高低差に驚かされます。ご本人もお気に入りだというフレーズ、「夢見る為に僕は目を瞑った」の歌詞が個人的にも刺さりました。
【小宵】さよならルルー
ウタとコトバを届けるVアーティスト・小宵さんのオリジナルソング。作曲はマッチさん。
時に淡々と、時に情感たっぷりに語られるポエトリーリーディングと、刺さるような高音のボーカル。その対比はまるで、しんしんと降り注ぐ粉雪と凍てつく寒風が代わる代わる外気を満たしているかのよう。MVも含め、「冬」の空気を強く感じられる作品です。
【読谷山文乃】私の目は沈静している。
読谷山文乃さんのオリジナルソング。作曲はtattoさん。Vtuberオリ曲コンピ『Reverse Real』収録曲。
やわらかく落ち着きのある声で紡がれる言葉の数々は耳に心地よく、どこか子守唄のようにも聴こえます。個人的な独白のようであり、親しい友人に語りかけているようでもあり、遠くの誰かへ投げかける問いのようでもある。聴けば聴くほどに味わい深い曲です。
【覇優雅エミ feat. 93poetry】People of the Moon
山葵音楽学校に通う覇優雅エミさんと、顔の無いポエマー・93poetryさんのコラボレーション曲。作曲は坂本マニ真二郎さん。
わずか2分で詩と歌、ギターと三味線を堪能できる濃密な楽曲。和楽器好きにはたまりません。短いながら「もっと聴いていたい!」と思わせるヘビーなサウンドも魅力的。フェードアウトして2人のパートが切り替わるMVの演出も必見です。
【渚乃奏、倫理ちゃん、藤宮メロウ、フレア・スカーレット、柚子花、日辻アヤカ、くー】ポエムコアマイクリレー
ポエムコアラッパー・渚乃奏さんが主催した、6人のVtuberが音楽にのせて言葉をつなぐ音楽企画。参加者は、倫理ちゃん、藤宮メロウさん、フレア・スカーレットさん、柚子花さん、日辻アヤカさん、くーさん。
淡々と語られる前半3人の言葉に共感しながら聴き入っていたところ、後半の3人の強い「語り」がぶっ刺さりました。柚子花さんを皮切りに、次々に投げかけられる感情の塊。一人ひとりが異なる表現と口調で思い思いの言葉を紡いでおり、その個性と言葉選びにも注目です。
【NoWorld】Crazy love
バーチャル音楽ユニット・NoWorld(白黒黒白/NoiR)が歌う、bar moon walk 渋谷百軒店店とVtuberのタイアップ企画「Vカク」のオリジナル楽曲。
どちらかと言えば静かな曲が多かったNoWorldのオリジナル曲の中でも、ずば抜けてかっこいい曲。アニメのオープニングと言われても違和感がなく、ボーカル・白黒黒白さんの伸びのある高音を存分に堪能できます。
【音無むおん】霹靂[HEKIREKI]
VSinger・音無むおんさんの2ndシングル。作曲はComaさん。
ロックな日(6月9日)に公開された、最高にクールなハイスピードロックナンバー。雨の中で雷鳴のごとく激しく歌うむおんさんと対比するように、間奏で映される青空の明るさが眩しい。最後のサビで、歌詞に合わせるように雨が止む演出が印象に残りました。
【星乃めあ】星空のglitter
夢見坂学院のバーチャルシンガー・星乃めあさんの1stアルバム『START!!』収録曲。作曲は井口イチロウさん。
アイドル色の色濃い『Step up Super Star!!』やメロディアスな旋律が耳に残る『彗星。』に対して、疾走感あふれるロックナンバー。満天の星空の下、ビルの屋上をステージに歌うライブ風のMVがむちゃくちゃかっこいい。間奏のカメラワークも見ごたえがあります。
【ココツキ】KEYS
バーチャルシンガーユニット・ココツキから、鈴代ここねさんと鈴代つきねさんの2人が歌う1stオリジナルソング。作曲はDECO*27さん。
クラウドファウンディングの支援によって完成した楽曲&MVであり、オリジナルミニアルバム『Antidote』にも収録。力強い2人の歌声と楽曲はもちろんのこと、緩急のある動きが堪能できるハイクオリティなMVも必見です。
【BOOGEY VOXX】D.I.Y.
バーチャルアンデッドユニット・BOOGEY VOXX(Ci/Fra)の1stシングル。作曲はD.wattさん。
オンラインダンスミュージックイベント「音Line_DistANCE」で先行公開され、一躍話題になった2人の初のオリジナル曲。現在も数多くのイベントで耳にする機会があり、2020年上半期のVtuberクラブシーンにおいては外せない1曲となっています。
【MonsterZ MATE】Last Judgement
MonsterZ MATE(アンジョー/コーサカ)の2周年記念ライブで披露された新曲。作詞作曲は『千年愛』と同じくCoffee Creamers。
バッチバチにカッコいい楽曲は言うに及ばず、2人のキレッキレのダンスと、アンジョーさんとコーサカさんの各々にフォーカスしたシーンなど、見どころたっぷりのMVにも惹き込まれます。新曲が出るたびに色気が増しているように聞こえる歌声にもうっとり。
【Marpril】city hop
岩本町芸能社所属のガールズデュオ・Marpril(谷田透佳/立花鈴)の1stアルバムの表題曲。作詞作曲はエハラミオリさん。
爽やかなエレクトロポップとクールなダンスミュージックの顔を持つ、1粒で2度おいしい楽曲。高音から低音へ。明から暗へ。キュートからスタイリッシュへ。白い街で歌って踊る2人と、暗闇でネオンをまとって踊る2人。その二面性も含めて、最高にアガる1曲です。
【えのぐ】スタートライン
岩本町芸能社所属のVRアイドルグループ・えのぐ(鈴木あんず/白藤環/夏目ハル/日向奈央)が、2周年ライブで披露した新曲のMV。作曲はエハラミオリさん。
Vtuberのオリジナルソングとしてはまだ少ない印象もある、「歌っている本人が登場せず、別のキャラクターが登場する」タイプのMV。ですが「小さな例え話」と書かれているように、そこには紛れもない「えのぐ」としての物語も描かれている――節々からそんなことが垣間見えるMVです。
【まりなす(仮)】POLYFULL!
「#まりなすMV参加プロジェクト」と題して参加Vtuberを募集していた、まりなす(仮)のMV。作曲はDJ Commandさん。
自然と全身を揺らしたくなるハイスピードユーロビートにあわせて、MVには総勢220名ものVtuberが登場。特に、3DモデルのVtuberたち数十人が一斉に並んで踊るシーンは壮観。もちろん、2DのVtuberたちもMVのあちらこちらで曲を盛り上げてくれています。
【Kapruit + バーチャル美少女ねむ】ココロコスプレ
クラウドファウンディングによって作成された、バーチャル美少女YouTuberねむさんのチャンネル2ndテーマソング。作曲はバーチャルアーティストのKapruitさん。
曲のテーマは「バ美肉」と「新しい自分との出会い」。歌は初音ミクさんが担当し、ねむさんは企画&主演としてMVに出演されています。他にも多くの方が制作に携わっており、さらには歌ってみたコンテストも開催されるなどの話題作。ぜひ一度聴いてみてください。
【カグラナナ】ナナイロセカイ
イラストレーター・ななかぐら先生のバーチャルでの姿、カグラナナさんの公式テーマ曲。作曲は齋藤真也さん。
ポップでかわいらしい、それでいて前向きになれる歌詞とサビのメロディが印象に残るテーマソング。掛け声もあり、ライブやカラオケではきっと盛り上がるはず。イラスト・Live2D・3Dモデルと、彼女の愛らしさがたっぷり詰まったMVも必見です。
【ヒヅキミウ】アカペラハート
WACTOR所属・ヒヅキミウさんの初めてのフルオリジナルソング。作詞作曲は40mPさん。
ミウさんは過去に『恋愛裁判』を歌っていますが、ミウさんのキュートで聴き取りやすい歌声は40mPさんのポップな曲調にぴったり。ひとつひとつ丁寧に口ずさまれる歌詞からは、前向きに一歩一歩進んでいこうという意思が感じられます。
【白咲べる】ときめきサイクル
活動開始1年半を迎えた、白咲べるさんのオリジナルソング。作曲はミツキヨさん。
ファンへの思いがたっぷりと詰まった歌詞は、彼女自ら言葉を選んで作詞をしたものなのだそう。明るく楽しそうな歌声からは元気をもらえる一方、その声で紡がれる甘い言葉の数々を悶えながら聴いたファンも多いのではないでしょうか。
【桜夢なな】くちづけで溶かして?
ZERO Project所属・桜夢ななさんの初のオリジナルソング。Vtuberオリ曲コンピ『Reverse Real』収録。作詞作曲はVtuber・ミズノユクさん。
冒頭からセリフ歌詞が盛りだくさんの電波曲……かと思ったら、「百合姉妹がお互いの目線から『好き』の気持ちを歌うラブソング」という変化球。百合が大好物だというななさんによる演じ分けも光る、彼女ならではのオリジナルソングとなっています。
【菜花なな】黄色い花のダイアリー
AVATAR2.0 Project所属・菜花ななさんの初のオリジナルソング。Vtuberオリ曲コンピ『Reverse Real』に収録された曲のMVです。作詞作曲はけーえぬPさん。
思わず踊り出したくなるようなポップなリズムとメロディに、ななさんのやさしくやわらかい歌声がぴったり。暖かい休日の午後にでも聴きたくなる1曲です。ほんわかぱやぱや、安らぎたいときにおすすめ。
【三田そにあ】Traveler~キミトミタイミライ~
AVATAR2.0 Project所属・三田そにあさんのオリジナルソング。作曲はKKさん。
活動1周年を迎えた彼女が歌うのは、ファンへの感謝と未来への想い。ひたすらに「前」を向く言葉選びが印象に残る、やさしくも決意に満ちた1曲となっています。説明欄では「また3Dでも作りたい」と書かれており、3Dで歌う姿もぜひとも見てみたいですね……!
【泡沫調】Don’t leave me
AVATAR2.0 Project所属・泡沫調さんのオリジナルソング。作曲は4ra8さん。
配信ではアップテンポなアニメソングも多く歌っている調さんですが、こちらはディープなエレクトロミュージック。響く歌声はきれいなのに、歌詞のとおり深く深く沈んでいくような錯覚を受ける、重厚な1曲となっています。
【結目ユイ】幸泡moment
AVATAR2.0 Project所属・結目ユイさんのオリジナルソング。作曲はBIG ISLAND RECORDS。
爽快なバンドサウンドにのせて、高らかに力強く響く歌声がかっこいい。一語一語を淡々と紡ぐAメロ、流れるようなBメロ、そして一気に駆け抜けるようなサビと、聴いてて楽しい曲展開も魅力的。どこか切なげに聴こえる「ひらひらといずれ散る」の部分も好きです。
【KMNZ LIZ】One by One
KMNZ・LIZさんの新曲。楽曲制作はKOTONOHOUSEさんとNeko Hackerの2人。
徹底的に“うち”で過ごす日々を謳歌していた『Home Sweet Home』に対して、今回は“そと”へ目を向けてガンガン踏み込んでいこうという歌詞が印象的。こんなにもリズミカルで楽しげなサビを聴いたら、雨の中でも外へ駆け出さずにいられない。そんな曲です。
【THE BINARY】その切っ先が愛であれば
リアルでもバーチャルでもライブを行う2.5Dアーティスト・THE BINARYのあかまるさんが歌うバラード。作曲は傘村トータさん。
ゆったりとした曲でありながら、情感たっぷりに歌われる後半の展開がエモーショナルで刺さります。また、青を基調としたMVにも注目。校舎らしき空間をゆっくりと移動する中で表示される歌詞とアニメーションが、曲をより魅力的に演出しています。
【波羅ノ鬼】トラウマ
2019年6月に「第2回アルテマ音楽祭」で鮮烈なデビューを果たした、波羅ノ鬼さんの2nd MV。
『余命宣告』のMVでもそれとなく彼女の背景が示唆されてるように映っていましたが、今回のMVではがっつりとひとつの物語が描かれます。メロディアスな楽曲と絞り出すような歌声にのせて紡がれるストーリーは、彼女自身の記憶……なのでしょうか。
【花譜】私論理
KAMITSUBAKI STUDIO所属・花譜さんが歌う、2019年末に渋谷で開催された「花譜展」のテーマソング。作詞作曲はカンザキイオリさん。
ポップでイマドキなエモさが前面に押し出されており、渋谷駅周辺が舞台となっているMVの雰囲気ともぴったり。実際に渋谷でイベントが開催されていたこともあり、普段の楽曲以上に「花譜さんがそこにいる」ような感覚を抱いた人も多いのではないでしょうか。
【理芽】Flowering
KAMITSUBAKI STUDIO所属・理芽さんのオリジナル曲。作曲はMisumiさん。
ピアノの音色が優しく響く、新しい季節への希望を歌った曲。序盤はどこか息苦しそうにも感じられた語りは、曲の進行にしたがって、あたたかく穏やかなものへと変わっていくようにも聞こえます。それはまるで、花開くように。
【燦鳥ノム】僕たちはまだ世界を知らない
サントリー公式Vtuber・燦鳥ノムさんのオリジナル曲第3弾。作詞作曲はGLAYのTAKUROさん。
これまでに投稿された『君にルムウム』や『Life is tasty!』のポップな雰囲気とは異なり、やさしい歌声とメロディからは清涼感を感じさせられます。ギターをHISASHIさん、ベースを東京事変の亀田誠治さんが務めるなど、豪華な布陣にも注目。
【月ノ美兎】アンチグラビティ・ガール
にじさんじ所属・月ノ美兎さんのオリジナル曲。にじさんじオリジナルフルアルバム『SMASH The PAINT!!』収録。作曲はTAKU INOUEさん。
彼女の発言やエピソードが歌詞で引用されている『Moon!!』と比べると、キャラクターソング色は弱め。にもかかわらず、曲の随所から感じられる“月ノ美兎”の色がすごい。その鮮やかな色彩と、繰り返される「笑ってたい」が、眩しく愛おしく感じられる1曲です。
【加賀美ハヤト】WITHIN
にじさんじ所属・加賀美ハヤトさんのオリジナルソング。作曲はぎゃぷいちさん。
彼の初配信で流された曲であり、「初配信でオリジナル曲!?」と話題になっていました。デスボのインパクトもすごいですが、ハヤトさん自ら作詞をしていることを考慮すると、歌詞がまた違った意味を持って聞こえてきます。
【Rain Drops】VOLTAGE
にじさんじ内の音楽ユニット・Rain Drops(緑仙/三枝明那/童田明治/鈴木勝/える/ジョー・力一)のメジャー1stミニアルバム『シナスタジア』収録曲。作曲はWEST GROUNDさん。
「ボーカル6人」と聞くと多い印象も受けるものの、一人ひとりの歌声と個性が存分に発揮されたアップテンポナンバー。こうして聴いてみると、各々の歌唱力は言わずもがな高いのですが、聞き手に何かを訴えかけてくる歌声の持ち主が集まっているように感じました。
【petit fleurs】ミラフル**
にじさんじ内のアイドルユニット・petit fleurs(森中花咲/御伽原江良)のデビューアルバム『première fleurs』収録曲。作曲は大久保薫さん。
まるで日常系アニメの主題歌かのようにキュート成分マシマシで、2人の掛け合いがかわいくて楽しい曲。サビの最後の歌詞「花咲く御伽話です!」に2人の名前が入っているのも素敵です。
【名取さな&健屋花那】てあらいうがいの歌
名取さなさん&健屋花那さんのナースコンビが歌うオリジナルソング。
「ナースな2人が、ナースっぽい曲を歌ってる!?」という驚きもありつつ、タイトルもずばり『てあらいうがいの歌』とこのご時世にぴったりの楽曲。作詞作曲を弦月藤士郎さん、イラストを春日部つくしさんが担当するなど、Vtuberによる合作としても注目の1曲です。
【バーチャルねこ feat. 町田ちま】風の祈り人
インターネット上で“ねこ活動”を行うバーチャルなねこ、バーチャルねこさんの楽曲。にじさんじの町田ちまさんとのコラボ曲となります。
ただでさえチルみが激しいねこさんが作る音色に、ちまさんの穏やかな歌声があわさって、極上の癒しをもたらしてくれます。落ち着いた雰囲気から一転、高らかに響き渡る高音が本当にきれい。とても素敵な曲だなあと思いました。
【ときのそら&AZKi】刹那ティックコード
ホロライブ所属・ときのそらさんとAZKiさんの2人による、初のオリジナルデュエットソング。作曲は渡部チェルさん。ミニアルバム『My Loving』収録曲。
芯のあるそらさんの歌声と、儚く響くAZKiさんの歌声。異なる個性を持ちながら、どちらも感情に直接訴えかけてくる2人の歌声の魅力が存分に発揮された1曲。メロディアスなサビは中毒性が高く、白と黒のアイドル衣装に身を包んだ2人がかっこいいMVも必見です。
【星街すいせい】NEXT COLOR PLANET
ホロライブ所属・星街すいせいさんの3rdオリジナルソングにして、2周年記念楽曲。作曲は酒井拓也さん。すいちゃんは今日もかわいい!
どことなくジャジーな雰囲気も感じる、ポップでオシャレなナンバー。ファッション雑誌のようなMVも見ていて楽しいですが、ラストのライブ会場の演出がまたエモーショナルで素敵です。ライブのみならず、クラブイベントでも盛り上がりそう。
【さくらみこ】サクラカゼ
ホロライブ所属・さくらみこさんの2ndオリジナルソング。作曲はハムさん。
超絶ハイテンションの電波曲『マイネームイズエリート☆』に対して、あたたかい春の空気を感じさせる曲。中でも象徴的なのが、それまでの積み重ねを感じさせる2:20以降の映像。前に向かって歩んでいく姿勢と感謝を歌った、王道アイドルソングです。
【白上フブキ】Say!ファンファーレ!
2019年11月に開催されたソロイベント「Congratulation!! FUBUKI BIRTHDAY PARTY.2019」で披露された、ホロライブ所属・白上フブキさんのオリジナルソング。作曲はハムさん。
フブキさんらしさがたっぷり詰まったキャラクターソングであると同時に、Vtuberの仲間とファンも含めた「お友達」への感謝を歌った1曲。MVではコールもしっかりと用意されており、ライブではみんな一緒になって盛り上がれる楽しい曲です。
【律可】Re:Hello world
ホロスターズ所属のバーチャルロボシンガー・律可さんが、自ら作詞作曲したオリジナルソング。3Dモデルのお披露目ライブで初披露されました。
「ロボである律可さんが、“Hello world”を改めて歌う」というそれだけでエモーショナルな1曲ですが、彼のファンへの想いが垣間見える歌詞にも注目です。曲だけでなく、全身を使って歌う姿と美しい演出が見れるMVも、ぜひあわせて見て聴いてみてください。
【キズナアイ】Awakening
世界初のバーチャルYouTuber・キズナアイさんの1st EP『Replies』収録曲。エナジードリンク『ZONe』による企画「IMMERSIVE SONG PROJECT」の参加楽曲でもあります。作曲はMisumiさん。
今年だけでも複数の楽曲をリリースしている彼女ですが、その中でも特に「キズナアイ」としての存在が色濃く感じられる1曲。「おはようって言いたいのに」「プログラムの愛が心を満たしてくから」「ここが特異点になるから」「未完成の愛でもっともっと好きになりたい」など、今の彼女が紡ぐからこそ真に迫って聴こえる歌詞が胸に刺さります。
【初音ミク、MEIKO、ミライアカリ、富士葵、YuNi、星乃一歌】青く駆けろ!
ポカリスエット・アンバサダーの6人が登場するムービー。初音ミクさんとMEIKOさんのボーカロイド2人に加えて、ミライアカリさん、富士葵さん、YuNiさんの3人のVtuber、そして『プロジェクトセカイ』の星乃一歌さんが参加しています。
爽快感あふれる楽曲にあわせて、現実世界をランナーたちと共に走る6人の姿が印象的なムービー。それぞれに異なる性質を持つ「キャラクター」たちのコラボレーションとしても象徴的であり、6人が視線を交えながら歌う姿には不思議な感慨を覚えます。
【ぽんぽこ】はなとなり
甲賀流忍者ぽんぽこさん、ピーナッツくん、チャンチョさんが歌う、ぽんぽこ2周年合同企画で制作された曲。2020年5月に放送された「ぽんぽこ24 vol.4」のエンディングソング。
「Vtuberが歌うオリジナルソング」であると同時に、作曲のロテさんをはじめとする大勢のファンが関わって作られたファンメイドの曲とMV。ぽこピーの2人の活動の軌跡が散りばめられた歌詞とMVは愛に満ち溢れていて、聴けばあったかい気持ちになれます。
まとめ
以上、2020年上半期に投稿されたVtuberオリジナル曲を50曲、紹介させていただきました。
この記事をまとめている最中に改めて思ったのですが……2020年上半期のVtuberの音楽シーン、ヤバくないですか……?
にじさんじでは複数のメジャーレーベルから相次いでライバーがデビューし、それぞれがCDアルバムをリリース。ホロライブでも複数人がオリジナル曲を投稿しているほか、他のグループでも同様の動きがあり、個人規模でも複数のオムニバスCDの企画がありました。
また、大手以外にも数々のアーティスト系Vtuberが続々と新曲を投稿しているほか、「音楽」をテーマにした企画もたびたび行われていました。さらにこのご時世でもオンラインイベントは盛況で、VRライブやDJイベントで盛り上がるタイムラインを何度も目にしています。
そしてこれだけ濃密な出来事があり、数々の新曲が投稿されているにもかかわらず、2020年にはいってからまだ半年しか経っていないという事実。期待の新人VSingerもちらほらと登場し、これから下半期にかけてのVtuberの音楽シーンはますます盛り上がることでしょう。
2020年も折り返し地点。まだ見ぬ曲やアーティストと出会えることを楽しみにしつつ、この記事が、知らない曲や魅力的なVtuberと出会うきっかけになりましたら幸いです。
※2020年上半期の新人Vtuberをピックアップした記事も書いておりますので、興味のある方はあわせてどうぞ!
2020年上半期デビューのVtuberをピックアップ!注目の新人さん10人を紹介します
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