配信プラットフォームの事情は刻々と変わっていて、以前に執筆した配信プラットフォームまとめからも大きく変化しています。Colon:が個人Vtuberの受け入れをはじめるなど、これからVを目指す人、今現在も配信などの活動をしている人にとっては大きな変化が起きています。
実際にどのプラットフォームが良いか調べるのかも難しいという人のために、今回は最新版のプラットフォーム事情を簡単にまとめて見ました。この記事を参考にすれば、自分が使うべき、あるいは見たいライバーとのマッチングがうまくいく……かも?
今回はアプリだけでなく、ブラウザ(PCなど)の閲覧も可能なプラットフォームを紹介します。
ブラウザで見れるプラットフォームの長所は「アプリのインストールが不要」なことで、アプリより広い層にアピール可能なこと、いわゆるライブ配信業界大手が多いことが特徴になっています。
目次
17Live(イチナナ):個人Vの発掘と育成に力を入れるプラットフォームに
2Dライバーの3D化権を賭けたイベントの開催、国際イベント開催時にVライバー枠を用意するなど、Vライバーの発掘とチャンス創出に積極的なのがイチナナです。
その積極性をさらに明確に打ち出す形になったのが「upd8」との共同オーディションです。
(詳しくは下記の記事と公式ページを参照)
「upd8」に参加のチャンス!「17Live」と「upd8」の共同オーディション開催決定!5月20日からスタート
オリジナルのモデルを持ち、企業などのマネジメントを受けていない個人勢であれば参加可能で、あのアイちゃんと同じ「upd8」に所属できるだけでなく様々なマネジメントを受けられるというビッグチャンスになっています。
すでに5月20日よりオーディションイベントが開催されており、、開催3日目にはトップ4人の合計ポイントが100万ポイントを突破。1週間で最終審査進出をかけたライブ配信権の最低獲得ラインである5万ポイントを超えるライバーが20名を超えるなど、かなりの盛り上がりを見せています。
個人Vの発掘と育成にトップクラスで力をいれているプラットフォームになっているのです。
イチナナのメリット
- Vライバーが参加できるイベントが多い
- リアルとVを超えた交流がありコラボの前例がある
- ログインボーナスなどがあり、気軽にポイントギフトが投げられるようになっている
- イチナナ側で権利系を代行してくれるのでカラオケ配信などもしやすい
イチナナのデメリット
- Vライバーが増えることでライバー間の競争が激しくなっている
- イベントの一部はリアルライバーと共通になるため、更に競争が激しい
- 公認ライバーにならなければ配信ができない
SHOWROOM(ショールーム):アマチュア枠での電撃参戦が可能なプラットフォーム
SHOWROOMはバーチャルタレント輩出プロジェクト「AVATAR2.0」、バーチャルジャニーズプロジェクトなど、独自コンテンツの発信に積極的です。いわゆるリアルライバーと共存するプラットフォームですが、リアル勢とのイベント時にバーチャル勢がみんなで協力して一人を押し上げるなど、協力的な空気ができやすいのも特徴になります。
一方で、バーチャル枠同士の競争が激しくなることもあり、「知れば知るほど深い」プラットフォームでもあったりします。無課金ユーザーでもイベントで貢献しやすいのもポイント。
【ゆったりイベント】喫茶『Yuzuka』 https://t.co/DaZPdwaSBQ
— 珈茶ユヅカ☕Vtuber 7年目! (@Kocha_Yuzuka) May 10, 2019
(SHOWROOMはTwitterとの連動性が高く、情報拡散がしやすいのもメリットの一つ)
特徴的なのは公認枠になるとファンレターなどを受取できる住所ができるということです。SHOWROOM側でファンレターなどを預かってくれるため、amazonの欲しいものリスト公開などにも不安があるひとも使いやすくなっています。また、「アマチュア枠」で独自参入が可能なことも特徴です。
アマチュア枠からの電撃参戦でイベントに爪痕を残せる可能性もあります。ゲームやアニメ、ラジオなどの声優系イベントが多く、オリジナル楽曲作成&提供などのイベントがあるのもポイントです。
SHOWROOMのメリット
- 公認枠になるとファンレターの受取場所ができる
- アマチュア枠から参加可能で他のプラットフォームより参加ハードルが低い
- 声優イベントやラジオイベントなどイベントの種類が豊富
- 「DAM」の音源を利用したカラオケ配信が可能
SHOWROOMのデメリット
- イチナナと比べるとVライバーの特典が目立つイベントが少なめ
- リアルライバーを含めたイベントになることがあるのもイチナナと共通
- アマチュア枠から参戦する場合はサポートがほとんど受けられない
Colon:(コロン):ユニークなイベントとカラオケの自前音源があることが特徴に
企業勢のみの配信となっていましたが、個人Vの配信が解禁されました。ユーザー数は少なめですがユーザー当たりの課金率や単価の高さが特徴で、フォロワー1000人以下で月間100万ポイントを達成するVがいるのも特徴になっています。
https://twitter.com/Eleganza_houjou/status/1126834442008350720
(Colon:の個人勢配信第一号になった北条院エレガさん)
また、イチナナ、SHOWROOMと異なり、「リアルライバー」がいないプラットフォームにもなります。
イベントはV同士で行っていくことになりますが、過去には「池袋駅のサイネージを争うイベント」「SHIBUYA 109商品開発部とのコラボイベント」「ニコニコ超会議参戦を賭けたイベント」などリアル進出を賭けたイベントも多数開催されています。「アニメイトのレシート裏に掲載される権利を賭けたイベント」などユニークなものも……
カラオケ用に自前音源を用意していて気軽に使えるのもポイントです。また、「アーカイブを残せる」プラットフォームの一つでもあります。
ただし、個人勢への配信解禁は始まったばかりで、まずは問い合わせて配信ができる体勢をつくるまでのハードルが高めになっています。
Colon:のメリット
- Vライバーのみでプラットフォーム内のライバルが少ない
- ユニークなイベントが多くチャンスを広げるのに役立つ
- 自前のカラオケ音源があるため申請などに気を使わずに住む
- アプリ内ポイント(コロン)のまとめ買いでボーナスポイントが貰えるなどギフトのハードルが低め
Colon:のデメリット
- 個人勢の配信解禁が始まったばかりでわかりやすい参加ルートがなく、問い合わせから入る必要がある
- ライバルの数は少ないもののイベントは企業勢と争わなければならない
- 発展途上のプラットフォームであり利用者数が伸びるかはこれからの課題
これまでColon:にご連絡頂いていた方から進めております。今後受付ページなども設置予定ですが、今はColon:公式アカウントかアライのTwitterまでご連絡ください。徐々に開放予定なこともあり、これまでの活動(配信)内容なども含めて確認させて頂いてます。 https://t.co/oBX7LuCgpk
— アライ タクロー (@ta9_row) May 13, 2019
(配信を希望する場合はColon:公式アカウントか、運営のアライタクローさんのアカウントに連絡を)
YouTubeとの違いと使い分け方は?
初心者向けにYouTubeの特徴と、他プラットフォームの比較もまとめてみます。
YouTubeのメリット
- スーパーチャットなどの還元率が高い(還元率70%・ただしiOS経由だと決済手数料が加わるため更に減る)
- 配信をしなくても動画やアーカイブの再生で広告収入が入ることがある(他は配信しないと収益が出ない)
- 動画が投稿できる(他のプラットフォームは配信専用のため動画投稿ができない)
- うまく検索ワードを掴むと一気に動画の再生数が伸びる可能性がある
- 配信のアーカイブを残すことができる(他プラットフォームは別途録画などが必要)
YouTubeのデメリット
- 配信開始までのハードルが高め(アプリはワンタップで配信可能なものがある)
- 収益化のハードルが高い(登録者1000人超+再生時間4000時間超+審査 ※詳しくは公式参照)
- 権利関係に厳しい(国際基準が適用されるため国内との差が出やすい)
- 突然規約が変更されるケースもある(突然収益化がストップするケースも)
YouTube以外のプラットフォームを利用するメリットとデメリット
メリット1.収益化のハードルが低い(配信→即収益になることも)
メリット2.人の行き来が多いプラットフォームが多く目立ちやすい
メリット3.YouTubeにないイベントがある(一位に慣れなくてもランキングで目立つケースも)
メリット4.運営側とコミュニケーションがとりやすい(音楽の権利系も処理してくれることが多い)
メリット5.課金のハードルが低いプラットフォームが多い(キャンペーンやボーナスがあることも)
デメリット1.一般的に還元率は低めに設定されている(イベントなどの経費や宣伝広告費がかかるのがポイント)
デメリット2.配信を続けないと収入にならない(不労所得は得られない)
デメリット3.プラットフォームの承認を取らなければ配信自体できないケースもある
デメリット4.録画などをしなければ配信のアーカイブ自体が残らない
結局どっちがいいの?
動画配信主体の場合はYouTube以外の選択肢が「ニコニコ動画」などに限られます。
また、マンガ家やイラストレーター、有名なママがいる、転生して生まれる前からファンがいるなどの条件がない限りYouTube上で視聴者をゼロから獲得していくのは困難です。そのため、Twitterなど情報の拡散が早いSNSなどを組み合わせ、視聴者を獲得していくことが大切になります。
プラットフォームごとに視聴者層が違い、行き来の頻度も違うのもポイントです。一般的にYouTube以外のプラットフォームの方が視聴者の行き来が激しく新規層に見てもらえる可能性が高くなります。
収益の還元率はYouTubeがトップクラスですが、ファンの掴まえやすさなどから他のプラットフォームを利用した方が収益を得られる人も存在します。YouTube自体の収益化ハードルが高く、審査結果がなかなか届かないケースがあるなど不明瞭な部分があるのもポイントです。
資金面の問題がある場合はより収益化が早いプラットフォームを利用した方が安定感が得やすくなります。
数字上の効率とは別に相性もあるため、どのプラットフォームがあっているかチェックしていく姿勢も大切なのです。
メインはYouTube、他の媒体はイベント参加用などと使い分ける人もいます。逆に他のプラットフォームをメインにして、配信を録画したものをYouTubeに投稿していくスタイルの人もいます。
プラットフォームと契約形態によって投稿の可否などが変ることもあるため、組み合わせる人が増えているのがポイントです。
収益は別にしてもファンから感じられる熱量やコメント頻度などの違いもあるため、自分が好きなプラットフォームを探していくのも方法です。
次回予告
次回はプラットフォームでもゲーム(eスポーツ)に特化したプラットフォームを解説予定です。
それではまた~
■次の記事: 【屍鬼のFANBOX出張版 vol.1】Vtuberへのコラボの誘い方
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